理事長ごあいさつ

理事長 猪原秀典

 

日本頭頸部外科学会
理事長 猪原秀典
(大阪大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)

 


理事長就任にあたり

 この度の理事長就任にあたり一言ご挨拶申し上げます。
 頭頸部外科学会は頭頸部がん専門医制度の運営母体ですが、決して頭頸部癌に特化した学会ではありません。耳鼻咽喉科・頭頸部外科は耳科、鼻科、口腔咽頭科、喉頭科、頭頸部外科、小児耳鼻咽喉科といった分野に細分されますが、頭頸部外科学会は分野横断的に耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の外科的な側面に焦点を絞った学会です。こうした意味において日本耳鼻咽喉科学会の関連する学会の中でも頭頸部外科学会は特異な存在です。これからの医療の現場にはAI(人工知能)が次々と導入されます。そして、画像や病理、疾患の診断の領域で、また内科的治療の領域でAI医療は加速度的に進化します。一方で、医師が手作業で行う外科的治療の必要性は決して揺らぐことはありません。すなわち、分野横断的に耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の手術全般を扱う頭頸部外科学会の特異性が却って強みとなり、本学会の重要性と責任は今後増すばかりです。その責任を果たすためにも分野に偏りが無い学会運営を心掛けたいと思います。そして、総会・学術講演会では各分野の最新の手術手技や手術に関連した知見を学ぶ場、そして若手医師が各分野のエキスパートと交流できる場を提供するよう配慮し、会員が研鑽を積む機会を充実させたいと思います。
 現在政府は、“指導的地位に占める女性の割合を2020年までに少なくとも30%程度にする”目標を掲げています。日本の医師の約20%は女性であり、頭頸部外科学会の会員の15%も女性です。しかし、日本のジェンダーギャップ指数がOECD加盟国中最低であるように、頭頸部外科学会において評議員、理事に占める女性の割合は極めて僅かです。頭頸部外科学会の更なる発展のためには女性医師が様々な形で学会に関与することが必要不可欠です。先ずはそのための足場の整備を始めたいと考えています。
 甚だ微力ではありますが、頭頸部外科学会がより一層魅力ある学会となるよう尽力することをお誓いして、新任の挨拶とさせて頂きます。